オナニーの見せ合い

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「まあまあやね」とリサさんは言った。
仕事は上手くいっている。付き合っている彼女とも良好な関係を築いており、親も元気で友達もたくさんいる。何もかも上手く行っている。行き過ぎていると言っていい。このまま年老いていくのかもしれないし、どこかに落とし穴もあるのかもしれない。
ただ、そんな先のことはわからない。ふと、独りで飲みたい時もある。
ふらりと入った店にリサさんはいた。彼女は誰とも会話を交わすことなく、男っぽくバーボンロックを煽っていた。
別にリサさんを口説く気はなかった。しかし、他に客のいない店でひとり飲んでいる女性に声をかけるのは自然なことだ。
そこからは成り行きだ。流れで彼女と近くのホテルで関係を持った。
僕のセックスに対して、相当感度がいいらしいリサさんはよがりまくっていた。しかし、セックスを終えて一息ついたリサさんはたいして感動の無い平凡な答えをした。
「まあまあやね」という言葉には何が秘められているのだろう。「上手いやん」と言われるのも照れ臭いし「下手やね」と言われると傷つく。ごく普通の当たり障りのない回答か。
すると、リサさんは「オナニーの見せ合いをしようか」と言い始めた。リサさんは僕の返答を待たずに足を開いて股間をまさぐり始めた。
セックスを終えたばかりなのに、なぜオナニーの見せ合いをしなければならないのか。よくわからないが主導権を彼女に握られているのは確かだ。僕も自分の股間を握り締めた。艶めかしく眼前で快感に腰をくねらすリサさんの姿に僕の股間はたちまち勢いを取り戻していた。そして、それはリサさんとのオナニーの見せ合いはセックスよりも遥かに刺激的だった。
二人で果てた後、さすがにお互いに疲れてベッドにマグロのように枕を並べて横たわっていた。リサさんとのセックスは最高だった。しかし、その後のオナニーの見せ合いはさらに上を行っていた。もし、セックスだけだったらさらに上があることに気づかなかったに違いない。
僕の人生もきっと「まあまあやね」なのだ。そのまあまあに満足して安住するか、さらに上を探ってみるのか。横を見ると、リサさんは既に寝息を立てていた。「まあまあやね」に安住しないリサさんの生き方に僕は憧れに似たものを感じた。
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