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母子家庭で育ってきた僕は、本当の父親を知らない。何も知らない子供の頃は片親であることは何とも思っておらず、他の家庭のお父さんと言う存在に対しても、羨望は全く感じなかった。そんな家庭もあるのかあ、と他人事のように思っていたものだ。
その後、セックスのメカニズムを理解して、男がいなければ子供はできないことを知り、自分にも父親と言うものがどこかに存在している事実を知った。しかし、父親のことは一切語らない母親に対して、幼いながらも「それは聞いてはいけないことなのだ」と空気を読んでいたものだ。
「ああ、実は私もなんだよね」
と、そんな僕の身の上話を聞いたナナセさんは言った。彼女はテレフォンセックス掲示板で知り合ったテレセマニアの女の子でしょっちゅうテレセをしている。
「うちも父子家庭でさ。物心ついた時には、もうお母さんはいなかったんだよ」
ただ、ナナセさんは、祖母が母親代わりをしてくれていたそうで、寂しさなどは全く感じなかったうえに、僕と同様に「母親のことについては聞いてはいけない」と考えていたと言うことだった。
父親母親違いで似たような境遇なので、実は、僕たちは生き別れの兄妹だったらドラマチックだよね、とお互いに笑いあった。
そんな赤の他人であるはずの僕たちが、電話一本でシンパシーを感じながらテレセしているのだから男女の出会いも運命なのかなと思う。ただ、僕もナナセさんも同じテレフォンセックス掲示板でテレセ仲間を探していたのだから、偶然にしては出来過ぎているような気がしないでもない。
僕はリアルでセックスはしない。女性と付き合ったこともないことはないのだが、遂にセックスはしなかった。何だか気が引けてしまったのだ。それはシングルマザーとして僕を育てるために頑張っていた母親の姿を見ていたからに他ならない。安易に子作りに直結するような行為は心の奥底で拒否してしまっていたのだと思う。
ただし、人並みに性欲はある。だから僕はテレフォンセックス掲示板に流れ着いた。
「リアルでセックスは興味ないなあ。私はテレセが楽しいから」
ナナセさんもまたそう言っていた。僕たちの出会いは偶然ではなく必然のような気がしている。
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